2016年11月27日

【宿プロデュース:考】民泊の登場で人材採用はさらに難しくなる

これまでも何回か人材の確保についてブログでお話ししていますが、今回は「なぜ人材の確保を急がなくてはいけないのか?」を語ってみましょう。

【旅館再生:考】 宿泊・飲食サービス業離職率 48.5%(リンク)

上記のブログで書いた通り、宿泊業は全業種の中でも有数の離職率の高さで、人気がない(働いてもほかの業種に転職したくなりやすい)業種です。

それでいながら、サービス業の枠に入っており人的サービスを多く求められてしまいます。
でも、なかなか宿泊業には優秀な人材が集まっていないのは、数字や皆さんが感じる通りだと思います。(もちろん優秀な人材はいらっしゃいますが、その割合は大手ネット企業に訪問した時に感じる割合とは大きな差がありました)

今後、海外の宿泊施設チェーンや国内の別業種企業が相次いで宿泊業に参入してくることが予想されており、既存の宿は個(人)の力を高めて対策を打たなければ淘汰されてしまいます。

どうやったら優秀な人材を確保できるかというと、やはり「意欲」が強い人材の方を探さないといけないのです。「意欲」が強い人材は、仕事の吸収は早いですし、よく言われるサービス業の”アイドルタイム”を無駄に使うような事はありません。自分で宿の良さを探して、課題を解決していこうと動きます。

でも、なかなかそのような人材はいませんよね。

なぜでしょう?

ここが大きなポイントです。

他の業種に目を向けると、例えばラーメン店であればそのお店の味や仕入れノウハウ、集客方法などを学んで将来的には独立を考えたりします。しかし、宿泊業においては一個人が宿を開業できるほどの費用捻出(借入)することは、最近の金融機関の方向性からするとかなり難しいのです。(もちろん安い物件を買って簡単にリフォームするという方法もありますが、現実的には安い物件には安い物件なりのハイコストが隠れており、その後の経営が難しくなることが多くあります。)

将来的に自分の店(宿)を持ちたいという強い「意欲」が持てない業界に、大きな大きな夢を抱いてやってくる優秀な若者はいませんよね。そんな当たり前の流れがこの宿泊業界にはあるのです。でも、「それでも宿泊業をやってみたい!」、「自分の城(宿)をもって海外からのお客様をお迎えしてみたい!」という人は存在します。

「その人達を自分の宿に採用したい!」と思うなら、もうそろそろ本気出さないと誰もやってこなくなります。

なぜなら、「民泊」が世の中に広がっていくからです。民泊ならば「1室の宿を経営する」と考えれば、それも「それでも宿泊業をやってみたい!」、「自分の城(宿)をもって海外からのお客様をお迎えしてみたい!」を叶えられますよね。それも通常のマンション賃貸よりも利回りが多く取れるようにするという条件を満たせば、1室10万〜20万円程度の投資で開業できます。ベッドやソファ、装飾、リネン類などを揃えて、たったの20万で宿オーナーです。それも急に欠勤する従業員さんやすぐに辞めると言い出す板前さんを雇うことなくです。「将来宿業を志す人は、民泊からスタート!」になるでしょう。民泊を5件も10件も経営すれば、それなりの宿よりもよほど収益力はあります。

私は「民泊」の登場で、今後の人材確保は本当に難しくなると思います。だからこそ”今”が大事なのです。

しかししかし、民泊が普及する前に活発に採用活動をしても、働く魅力が無い所には来ないものは来ませんよね。

ではどうすればいいか?それは、宿業が持つ要素を分散化して、それぞれの要素のプロフェッショナルを目指す人々を集めることです。

例えば、宿業は基本的に「部屋を貸す」という不動産要素があります。場所を貸して、そこから収益を得るというモデルです。

もちろん旅館やシティホテルであれば飲食部門がありますので、そこから飲食業を目指す人もいるでしょう。食事を作れれば、弁当屋さんだってできます。美味しくない介護食を旅館ホテル並みに高めた介護付き老人ホームの経営だって目指せます。清掃だって、立派な清掃会社が世の中にはたくさんあります。

というように、採用時点で「うちにはこういう仕事がありますけど、やりたい仕事はありますか?」ではなく、「その道のプロを目指す人が実践を積んで、起業を目指せる場所あります。」にしないといけません。
そのくらいのインパクトを提供できなければ、これからもずーーーーっと採用は厳しくなるでしょう。

時代はどんどん進みます。

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posted by bantomoskyline at 02:32 | TrackBack(0) | 【宿プロデュース:考】

2016年11月26日

【宿プロデュース:考】最新レストラン厨房で見たサイエンス料理

いやーーすごかったですな。

いつも大変お世話になっている種村先生と一緒に、噂のNabeno-Ism(ナベノイズム)でお食事させて頂きました。

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先生からたくさん刺激のあるお話を聞いていたので、楽しみにしていましたが、それ以上の収穫あるお時間を過ごさせて頂きました。

せっかくですので、当ブログをご覧の皆様にも共有を。

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大変落ち着いた店内で、椅子テーブル内装と完璧ですね。1Fはキッチンで、2Fはテーブルが4セットとデッキが合ってそちらでも夏は食事できるそうです。3Fはグループ向けの席があって、4Fは屋上デッキになっていて花火を眺めるような空間でした。

そして、こちらからスタート。

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石のプレートがはまった木のプレートが置かれています。印象的なプレートでこれから何が始まるんだろう。。。とワクワク感を演出されていました。

そして、

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右手前の小皿から食べていき最後に冷製スープに行きつきます。二番目の器にのったのは本当に美味しかったなぁ。オリーブが苦手な私ですが、これまでで一番オリーブが美味しく感じました。(笑)

そして、

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そばがきの上にキャビアがのっています。キャビアってあんまり美味しいと思ったことないんですけど、ボリューム感のおかげか味がいいのか最高に美味しかったぁ。

そして、

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ブレス産のピジョン(鳩)のお肉料理が出てきました。京都山科茄子のコンポートとジュレと一緒にポッポを食べるとまたうまいこと!

そして、

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今回の食事の中で一番おいしいと思ったのがこちらで、ニュージーランド産オーラキングサーモン、マリネしてから竹本油脂太白オイルコンフィっていう料理なのですが、サーモンを45度から50度の間でオイルに浸して火を通しており、ちゃんと火は通りながらも生のサーモンの様な臭みは無く、完全な初体験でした。食材を物質的に見て調理していて、こんなお料理が普通の宿に出てきたら分かるお客様はひっくり返るんだろうなぁと思うような一品でした。

そして、

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このフォアグラもアンビリーバボー&ブラボー。これも私は初体験です。V.C.C.(バリオクッキングセンター)で調理されたものです。V.C.C.(バリオクッキングセンター)とは、システム化された加熱調理機で様々な調理をコンピューターで制御しながら完成させられる機械です。最近はフォアグラも安くなって普通のコース料理にも出てくる料理になりましたが、どれもこれもバターソテーして火が通り過ぎるか、厚過ぎて生焼けの様な同じ味でした。しかし、このフォアグラはスーパージューシー!ナイフを入れる段階でフォアグラに張りがあるのが分かる経験ってした事ありますか?切っている時も生肉のように水分にナイフが引っ張られるのです。口に入れるとそのナイフの感触のままのフォアグラが見た目以上のジュースを口の中に広がります。んーーGREAT.

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種村先生のご紹介でキッチンを拝見しましたが、まー油ひとつない厨房で、最新機器がゴロゴロしていました。料理創作者+ハイテク調理機という未来型のキッチンでした。

そして、

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シェフのスペシャリテというアマダイのうろこ付き焼きです。フランス料理でありながら日本料理の香りする料理で、まー素晴らしかったです。

そして、

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エゾ鹿ロース肉 64℃で加熱してからローストしたお肉です。このお料理は結構お腹いっぱいになってから出てきたのですが、ファンタスティック!
本当に美味しかったですねー。私はシカ肉を食べるような地域に生まれていたので、子供のころから獣肉を頻繁に食べていたのですが、あの知っている獣肉の臭みがなくなり、赤身肉の美味しさだけが口の中に広がります。おーーブラボーー。驚きましたねー。最新の調理器のおかげのようです。肉に火が通り過ぎず、かつ生ではないという絶妙な分岐点が64℃だそうです。驚きました。

そして、

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デザートです。もうこのころにはおなか一杯で良く分からなくなりました。(笑)

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最後にハーブティーを頂きました。

あと、忘れていましたがフランス料理なのでテーブルブレッドが出てきたんですけど、これも最強です。

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このパンを食べに行くだけでいいので行く価値はありますよ。本当においしい。持ち帰りできるなら5、6本持って帰りたいくらい美味しかったです。

総評としては、どの料理も「これってこの味、この食感だろうなー」という事前の想像を上回ってくる一品ばかり。フォアグラのジューシー感、エゾ鹿の臭みの無さ、サーモンコンフィの食感。すべて初体験でした。

サイエンスな厨房まで入らせて頂き大変勉強になりました。

そこそこの金額はしますが、舌は鍛えるものです。鍛錬をし続けることで、味の深みや味を理解してそれを表現する力を養います。皆さんもぜひ行ってみてください。

posted by bantomoskyline at 10:11 | TrackBack(0) | 【宿プロデュース:考】