2016年08月23日

【宿プロデュース:考】 コンセプトルーム、○○コンセプトの料理、、、がなぜ当たらないのか?

「これからはカップルのお客様が増えてくると見込んで、〇〇〇コンセプトのお部屋をリニューアルしまして、、、」、「秋の夕暮れをお楽しみいただきたく、今回は〇〇〇〇コンセプトの料理をご用意させて頂きました。」なんてフレーズよくありますよね。コンセプト創造研究所という屋号を旅館ホテルコンサルティングにおいては使っておりまして、コンセプトって本当に大事だなと思っています。しかし、前述のフレーズを聞いたりすると思うのが、「勿体ない。MOTTAINAI。モッタイナイ。」です。

コンセプトというのは、英語で日本語に直すと「概念」ですとか「発想」、「構想されたもの」といった、物事の支柱や軸となるものを言います。コンセプトというともう既に、日本語化していますよね。〇〇〇コンセプトのお部屋と聞くと相当練って考えられて、「なるほどーー」と思わされることが多々あります。
しかし、なかなか商品として市場に出しても売れなかったり、思ったような反応が無かったりします。その後の反省会などに立ち会わせて頂いたりすると、「コンセプトが悪かったのか?」、「まだまだ練り方が足りなかったのでは?」、「女性目線が無かったのでは?」などなど議論が尽きません。そこでどのような結論に至るかというと、また次のシーズンに新しいコンセプトを考え出して、商品化していこう!です。次のシーズンの新コンセプトが当たるか?十中八九当たりません。

今回は、そのなぜ十中八九当たらないかを解説したいと思います。

まず、そもそものところから考えないといけません。
それは、どのような結果を求めてコンセプトを考えて商品化するのか?

ここはだいたい共通して「お客様に喜んで頂いて、結果的に売り上げに繋がる」という答えが出てきます。そうです!その通りです!

ここからの道筋が迷走する大きな分岐点になるのです。多くの宿で、目的はお客様に喜んで頂くのに、商品開発段階でお客様の影が一切なくなってしまうのです。

誰がこれから開発する商品を買うのか?お客様ですよね。だから、お客様の目線で商品が選ばれなければいけないのです。
ここ大事ですね!ココが最重要と言ってもいいかもしれません。

では、お客様目線でどのように商品が選ばれるか図解してみましょう。

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これは、世の中にたくさんある商品を点にしてお客様目線から見た様子を表しています。どうですか?色は割とバラバラですが、まったく同じように見える丸い点が雑然と無数に見えますよね。そうです。これなんです。御社が考えた新しい商品はこの点の中の一つでしかないのです。「いやいやもっと目立っているはず。。。」いや絶対にそんなことないのです。この中の点に過ぎないのです。

次をご覧ください。
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上の図は、無数の点の中に四角い囲いを線引きしました。この四角一つ一つは宿だったり会社だったりします。四角の中にたくさんの商品が並んでいます。宿であれば、「スタンダードなお部屋、露天風呂付客室、大きな大浴場、貸切露天風呂、眺めの良いラウンジ、女将、手作り地産地消料理、駅近くの立地など宿がアピールしている事は、色や並び方は違えどお客様からは似たようなものにしか見えません。

そうなんです。お客様からしたらせっかく念を入れて考えた〇〇〇〇コンセプトの料理は、無数の点の一つにしか見えないのです。同時に言えるのは、そのコンセプト料理の点は他の点と違いが分からないのです。「いやいや、ちゃんとHPのトップページででっかくアピールしているので、そんなことは、、、、」あるんです!

お客様目線で考えるとすぐに分かりますよ!

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左記商品は、部屋用フレグランス(芳香剤)で、コンセプトは「いい香リン♪ランドリン♪」。『「香り」で体験するセレブ級の上質な生活。上質な香りをまとうと、いつもの一日が特別になる。それだけで自分とかけ離れた、LAセレブのような生活の気分を味わえる。』だそうです。
では、50、60種類の芳香剤が並ぶホームセンターの売場でこの商品を選びますか?考えてしまいますよね。そうなんです。お客様からすると商品コンセプトなんて言われても、「あーー〇〇〇コンセプトの芳香剤ないかしら・・・」なんて、コンセプト基準で買い物をしていないので、全く商品コンセプトなんて意味がないのです。あるとすれば雰囲気だけです。

では、なぜ当社がコンセプト創造研究所というのか?
それは、当社が宿や企業を改善する流れを知って頂ければ、分かって頂けると思います。

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改善の当初段階では、上の図のようにバラバラに並ぶ商品を大まかに並び直します。例えば、宿泊プランなんかでいうのであれば、一番売りたいプラン(高粗利)、予約するお客様は少ないが必要なプラン、宿の売りになるプラン、一番売れているプランといった感じでバラバラで並んでいたりするので、一番売れているプラン、一番売りたいプラン(高粗利)、宿の売りになるプラン、予約するお客様は少ないが必要なプランという感じで並べ直します。その様子が上の図です。これをするだけでも売上に小さな変化が生まれたりします。どうですか?周りの四角と比べても少し違いを感じますよね。そうなんです。違うと売上って変わってくるのです。

次に、行うのが
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上の図のように、宿の色(コンセプト)を決めて、各構成要素(点)を染めていきます。赤というコンセプトであれば、全てを赤に染めます。多くの方が染められる点(構成要素)をお部屋だったり、料理、宿泊プランを想像するのですが、違います。宿のすべてです。例えば、人事制度にしても、制服にしても、料理皿の選択にしても、社員研修にしても、営業戦略にしても全てを同じ色で染め上げます。どうですか?この段階まで来ると他の四角(宿)との違いが明確になってきますよね。

上記の段階を経ると、染め上げきれないものが出てくるので、そこで取捨選択が起こったりして、結果的に点が綺麗に並びます。
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どうですか?他の四角(宿)に比べてかなり違いますよね。
ここまで持って行ってあとは、積極的に営業活動を継続して時間が過ぎてくると、こうなります。
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どうですか?
全然違いますよね。PCやスマホから普段の10倍くらい離れてみてください。どうですか?赤い大きな点は見えますか?それに比べてほかの四角に違いを見つけられますか?
ここまで来るとこれまでの商圏から遠く離れた遠隔地からのお客様が、泊まられたりする機会が増えていきます。

これがコンセプト経営の真髄です。

強いコンセプトを会社の隅々にまで浸透させて、業界の中で不動の地位に着いている企業の手法です。
いい宿とは何か-1

そんなコンセプトを会社の軸にして、強く負けない会社作りのヒントを学ぶセミナーを開催します。今回は、コンセプト経営を実践している宿『伊豆天城温泉 禅の湯』の稲本マネージャーをゲストスピーカーとしてお招きして、『2016年10月11日(火) コンセプトを軸にする強い会社の作り方セミナー』を開催します。

ご興味ある方はお早めにお申し込みください。

セミナー案内
http://concept-soken.com/wp-content/uploads/2016/08/a2d8101c6efaa690e8f748dc39b84264.pdf
posted by bantomoskyline at 04:27 | TrackBack(0) | 【宿プロデュース:考】